今回は、「思考法についてまとめてみました。

思考法とは?
「思考法」とは、物事を考えるための方法やプロセス、枠組みのことを指します。問題を解決したり、創造的なアイデアを出したり、論理的に判断したりする際に使う「頭の使い方の型」とも言えます。
論理的思考(ロジカルシンキング)系
1. 消去法(しょうきょほう)
説明:複数の選択肢から「明らかに不正解・不適切」なものを一つずつ除外し、最後に残ったものを正解・最適とする方法。選択肢の数が多い場合や、直接的な答えがわかりにくいときに効果的。
用途:
・試験問題の選択肢を絞るとき
・犯人や原因を特定する推理
・最善策が分からないときの意思決定
2. 演繹法(えんえきほう)
説明:「一般的なルール」から「個別の事実や結論」を導く方法。トップダウン型の論理展開で、結論の正確性が高い。
例:全ての哺乳類は心臓を持っている → クジラは哺乳類 → クジラは心臓を持っている
用途:
・論理的な文章作成や説明
・法律やルールに基づいた判断
・研究や理論の応用
3. 帰納法(きのうほう)
説明:複数の具体例から共通点や法則性を見出して、一般的な結論を導く方法。ボトムアップ型であり、確率的な結論になる。
用途:
・調査や研究データの分析
・経験からルールを導き出すとき
・マーケティングやユーザー分析
4. 仮説思考(かせつしこう)
説明:「たぶんこうではないか?」という仮の答えを先に立てて、それを検証しながら答えに近づいていく思考法。スピード重視でPDCAサイクルに近い。
用途:
・ビジネスの戦略立案
・未知の問題へのアプローチ
・分析や実験の初期ステップ
5. 三段論法(さんだんろんぽう)
説明:「大前提 → 小前提 → 結論」という3つの構成で、演繹的に結論を導く論理の型。非常に形式的で説得力のある構造になる。
例:
大前提:全ての人間は死ぬ
小前提:ソクラテスは人間
結論:ソクラテスは死ぬ
用途:
・論文やプレゼンの構成
・説得力のある議論展開
・倫理・哲学的思考
6. 因果関係思考(いんがかんけいしこう)
説明:ある出来事の「原因」と「結果」の関係に注目して、物事を理解・説明する方法。「Aが起きたからBが起きた」と構造化する。
用途:
・問題の原因分析
・戦略設計や未来予測
・報告書やプレゼン資料の構成
7. フレームワーク思考
説明:複雑な問題を「枠組み(フレームワーク)」を使って整理する思考法。例:MECE(モレなくダブりなく)、SWOT分析、4Pなど。
用途:
・ビジネス戦略立案
・思考の整理やチームでの共有
・論理的なプレゼン作成
創造的思考(クリエイティブシンキング)系
8. ブレインストーミング
説明:複数人または1人で、批判をせずにできるだけ多くのアイデアを出す手法。自由な発想を引き出し、量から質を生み出すのが目的。
用途:
・新商品のアイデア出し
・課題解決の打ち合わせ
・チームビルディング時の発想活性化
9. 水平思考(すいへいしこう/ラテラルシンキング)
説明:論理的・垂直的に考えるのではなく、視点を横にずらしてユニークな解決策やアイデアを生み出す方法。常識を疑う発想がポイント。
用途:
・革新的な商品や広告の企画
・詰まったアイデアを打開したい時
・謎解きやパズル的な問題解決
10. アナロジー思考
説明:他の分野や事例との共通点・類似点を利用して、新たな解決策やアイデアを導く思考法。比喩や例えに強くなる。
用途:
・既存のアイデアを応用した開発
・複雑な話をわかりやすく説明するとき
・教育・プレゼンでの例示
11. マインドマップ
説明:中央のキーワードから枝を広げるように関連情報を放射状に書き出して、情報やアイデアを可視化・整理する手法。脳の発想法を視覚化。
用途:
・情報整理・ノート作成
・アイデア出し・企画立案
・記憶の定着や全体像の把握
意思決定・選択系
12. PMI法
説明:ある物事や選択肢について「プラス(Positive)」「マイナス(Minus)」「面白い(Interesting)」の3つの視点から整理する方法。感情と論理のバランスをとるのに役立つ。
用途:
・意思決定に迷ったとき
・他者と意見交換するとき
・発想や評価の多角化
13. 意思決定マトリクス
説明:複数の選択肢に対して、複数の評価基準を設定し、点数化して総合評価で判断する方法。比較の可視化ができる。
用途:
・採用候補の比較
・商品やサービスの選定
・優先順位の整理
14. メリット・デメリット分析
説明:選択肢ごとに「利点」と「欠点」を書き出して判断するシンプルで直感的な方法。初心者にも使いやすい。
用途:
・選択肢に悩んでいる時の整理
・リスクと効果の可視化
・他人への説明や説得材料として
問題解決系
15. なぜなぜ分析
説明:問題の原因を深掘りするために、「なぜ?」を繰り返し(通常5回)問いかけて、根本原因を探る方法。トヨタの生産方式で有名。
用途:
・再発防止策の検討
・チームでの問題共有
・トラブルシューティング
16. フィッシュボーン・ダイアグラム
説明:問題の原因を「人・物・方法・環境」などカテゴリ別に分類し、魚の骨のような図にして整理する方法。別名「特性要因図」。
用途:
・品質管理・製造業の問題分析
・チームでの原因整理
・問題構造の可視化
17. PDCAサイクル
説明:Plan(計画)→ Do(実行)→ Check(評価)→ Act(改善)を繰り返し、継続的な改善を行うビジネスの基本的思考サイクル。
用途:
・業務の改善と効率化
・プロジェクト管理
・振り返りと学習の習慣化
マニアックな思考法一覧(第1弾)
18. デルファイ法
説明:複数の専門家の意見を匿名で集め、フィードバックと再評価を繰り返して合意を得る方法。集団思考のバイアスを避けるのが特徴。
用途:
・未来予測(政策・技術トレンド)
・リスク分析や戦略策定
・社内外の専門家の意見統合
19. アブダクション
説明:観察された事実に対して「最ももっともらしい仮説」を導き出す推論法。演繹や帰納と違い、直感や仮定に頼る場面もある。探偵の推理に近い。
用途:
・ミステリーや探偵ものの論理展開
・未知の問題への仮説構築
・マーケティングやUXでのユーザー推測
20. レトロダクション
説明:結果からスタートして、過去に遡って原因や状況を推定する思考法。アブダクションと似るが、時間軸が明確に「過去」に向かっている。
用途:
・歴史学や考古学での仮説構築
・事故調査やトラブルの再現
・創作での過去設定の構築
21. ゼロベース思考
説明:既存の前提や枠組みをすべて取り払って、ゼロの状態から考え直す方法。大改革や抜本的改善に向いている。
用途:
・大きな組織改革・制度見直し
・製品・サービスの再設計
・過去の常識を疑いたい時
22. シックスハット法
説明:「6つの帽子=6つの視点(感情・事実・批判・楽観・創造・整理)」を意図的に切り替えて考える手法。チームでも個人でも使える。
用途:
・会議やディスカッションの整理
・バランスの良い判断
・アイデア出し+リスク評価
23. メタ認知思考(めたにんちしこう)
説明:「自分がどう考えているかを、さらに一段上から俯瞰して見る」思考法。思考や感情の自己モニタリング・コントロールができるようになる。
用途:
・感情や思考の暴走を防ぐ
・自己成長や学習の反省
・対話力やEQ(感情知能)向上
24. デザイン思考(でざいんしこう)
説明:ユーザー視点で課題を発見し、共感・アイデア創出・試作・検証のプロセスを繰り返す思考法。共感からスタートするのが特徴。
用途:
・プロダクト開発やUX設計
・サービスデザインやイノベーション
・ユーザー中心の課題解決
25. バリュープロポジション思考
説明:顧客にとっての「価値提案(=何をどんな価値で提供するか)」を軸にアイデアを磨いていく思考法。ビジネスモデルキャンバスの一部として有名。
用途:
・新規ビジネスの立案
・サービスの差別化設計
・マーケティング戦略立案
26. ダブルループ学習
説明:表面的な問題解決(シングルループ)ではなく、前提そのものや価値観・ルールを見直して学ぶ思考法。組織や個人の深い変革に使われる。
用途:
・組織文化や価値観の見直し
・自己成長や思考のクセ改善
・本質的な学びや成長を得たいとき
27. ファーストプリンシプル思考
説明:物事を根本の「第一原理」まで分解して考える方法。イーロン・マスクなどが好む。常識やアナロジーを使わず、自力で再構築する。
用途:
・新しいテクノロジーの開発
・抜本的な課題解決
・常識を疑ってゼロから考える時
28. マンダラチャート思考
説明:目標を中心に9×9のマスに要素を書き出して思考を広げる方法。大谷翔平選手の思考法として有名になった。
用途:
・目標達成のプロセス整理
・アイデア出しの構造化
・自己成長や習慣化の設計
29. デコンストラクション
説明:常識・制度・言語などを「疑い・解体・再構築」する思考法。哲学者デリダに由来。固定観念を壊すラディカルなスタイル。
用途:
・批評やアート・思想分析
・制度や慣習の問い直し
・言語や構造の裏を読む読解
30. セレンディピティ思考
説明:偶然の出来事や失敗から価値ある発見を得る思考法。「幸運を呼び込む力」とも。意図せぬ気づきを価値に変える姿勢がカギ。
用途:
・研究や探究的学習
・創造性を求める仕事
・リスクから学ぶための態度
31. コンセプト思考
説明:複雑なものを「本質を一言にする」ことでシンプルに捉え直す方法。企画・開発などでよく使われる。核となる言葉を定めて全体を整える。
用途:
・企画書やプレゼンの骨組みづくり
・ブランドやプロダクトの方向性統一
・アイデアを他者に伝えるとき
32. フューチャーバック思考
説明:未来の理想状態をまず描き、そこから現在に向かって「逆算」して行動計画を作る思考法。通常の「今から未来へ」の逆。
用途:
・ビジョン策定・長期戦略立案
・逆算型のキャリア設計
・大規模な変革プランの設計
33. コンパラティブ思考
説明:異なる文化・事例・視点を「比較」しながら共通点・差異・背景を読み解く方法。文学・宗教学・国際比較などで使われる。
用途:
・国際比較やクロスカルチャー分析
・アイデアの新たな視点獲得
・自文化・自分の価値観の相対化
34. メタファー思考
説明:抽象的な概念を、身近な比喩やイメージで置き換えることで理解や発想を促進する思考法。直感と創造力を刺激する。
用途:
・教育やプレゼンでの説明力強化
・難しいアイデアの可視化・共有
・ブランディングや広告コピー開発
35. ランダムインプット法
説明:無関係な単語・イメージ・出来事を無理やりアイデアに関連付けることで、突飛な発想を生み出す手法。創造性の極限刺激。
用途:
・アイデア出しで詰まったとき
・強制的に視点を変えたい時
・広告・ゲーム・アートなどの発想補助
まとめ
思考法は使い分けることで、世界の見え方もガラッと変わるので、ぜひ楽しんで活用してくださいね!
