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今回は、東京都が管理する全148河川のリスト(名前、水系、種別、管理区間長)を提示し、その中から特に主要な河川や歴史的に特筆すべき点のある河川について、概要や歴史を補足する形でご紹介させていただきます。
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一級河川 (5水系 36河川)
1. 多摩川水系 (16河川)
- 多摩川 (たまがわ)
- 種別: 一級
- 管理区間長: 約59.2km (都県境含む)
- 歴史/備考: 古くは「玉川」とも書かれた。東京都と神奈川県の県境を流れる。古来より生活用水、農業用水として利用され、六郷用水、玉川上水などが開削された。氾濫も多く、治水事業が繰り返されてきた。現在も都民の重要な水源であり、豊かな自然環境も残る。
- 浅川 (あさかわ)
- 種別: 一級
- 管理区間長: 約30.6km
- 歴史/備考: 多摩川最大の支流。八王子市周辺の主要河川。かつては氾濫も多かった。流域には多くの史跡が点在する。
- 大栗川 (おおぐりがわ)
- 種別: 一級
- 管理区間長: 約14.6km
- 歴史/備考: 多摩ニュータウンを流れる。水質改善や親水化が進められている。
- 乞田川 (こったがわ)
- 種別: 一級
- 管理区間長: 約8.2km
- 歴史/備考: 大栗川の支流。多摩ニュータウン開発と共に改修された。
- 三沢川 (みさわがわ)
- 種別: 一級
- 管理区間長: 約8.7km
- 歴史/備考: 稲城市、川崎市を流れる。かつては農業用水として利用された。
- 谷地川 (やじがわ)
- 種別: 一級
- 管理区間長: 約12.0km
- 歴史/備考: 八王子市、昭島市を流れる。流域には田園風景も残る。
- 平井川 (ひらいがわ)
- 種別: 一級
- 管理区間長: 約15.7km
- 歴史/備考: あきる野市、日の出町を流れる。秋川の支流。
- 秋川 (あきがわ)
- 種別: 一級
- 管理区間長: 約20.8km
- 歴史/備考: 多摩川の主要支流。奥多摩の山間部から流れ、渓谷美で知られる。釣りや川遊びで人気。
- 鯉川 (こいかわ)
- 種別: 一級
- 管理区間長: 約2.0km
- 歴史/備考: 平井川の支流。
- 残堀川 (ざんぼりがわ)
- 種別: 一級
- 管理区間長: 約15.1km
- 歴史/備考: 狭山丘陵に源を発し、立川市などを流れる。一部区間は水量が少ないことがある。
- 程久保川 (ほどくぼがわ)
- 種別: 一級
- 管理区間長: 約4.1km
- 歴史/備考: 浅川の支流。日野市を流れる。
- 日原川 (にっぱらがわ)
- 種別: 一級
- 管理区間長: 約13.0km
- 歴史/備考: 秋川の支流。奥多摩町の日原鍾乳洞付近を流れる。
- 大丹波川 (おおたばがわ)
- 種別: 一級
- 管理区間長: 約7.9km
- 歴史/備考: 秋川の支流。奥多摩町の山間部を流れる。
- 養沢川 (ようさわがわ)
- 種別: 一級
- 管理区間長: 約7.1km
- 歴史/備考: 秋川の支流。あきる野市の養沢地区を流れる。
- 南浅川 (みなみあさかわ)
- 種別: 一級
- 管理区間長: 約10.0km
- 歴史/備考: 浅川の支流。高尾山麓を流れる。
- 谷戸川 (やとがわ)
- 種別: 一級
- 管理区間長: 約3.3km
- 歴史/備考: 大栗川の支流。多摩市を流れる。
2. 荒川水系 (16河川)
- 荒川 (あらかわ)
- 種別: 一級
- 管理区間長: 約24.1km (都内区間)
- 歴史/備考: かつての荒川下流(現隅田川)の氾濫を防ぐため、明治末期から昭和初期にかけて人工的に開削された放水路が現在の荒川。首都圏の治水の要。
- 隅田川 (すみだがわ)
- 種別: 一級
- 管理区間長: 約23.5km
- 歴史/備考: かつての荒川下流部。江戸時代から水運の大動脈として栄え、多くの橋が架けられた。花火大会や屋形船など、江戸・東京の文化と深く結びついている。
- 新河岸川 (しんがしがわ)
- 種別: 一級
- 管理区間長: 約18.8km (都内区間)
- 歴史/備考: 江戸時代に舟運のために整備された。埼玉県から流れ込み、隅田川に合流する。
- 石神井川 (しゃくじいがわ)
- 種別: 一級
- 管理区間長: 約25.2km
- 歴史/備考: 小平市などに源を発し、北区で隅田川に合流。武蔵野台地を刻む。流域には石神井公園など緑地が多い。氾濫対策が進められている。
- 神田川 (かんだがわ)
- 種別: 一級
- 管理区間長: 約24.6km
- 歴史/備考: 井の頭恩賜公園に源を発し、隅田川に合流。江戸時代に江戸城の外堀や上水路(神田上水)として利用された。多くの区間が改修されている。
- 日本橋川 (にほんばしがわ)
- 種別: 一級
- 管理区間長: 約4.8km
- 歴史/備考: 神田川から分かれ、隅田川に合流。日本の道路網の起点である日本橋が架かる。江戸城の外堀の一部でもあった。上部に首都高速道路が覆いかぶさる景観が特徴的。
- 白子川 (しらこがわ)
- 種別: 一級
- 管理区間長: 約9.9km (都内区間)
- 歴史/備考: 埼玉県から流れ込み、新河岸川に合流。
- 旧中川 (きゅうなかがわ)
- 種別: 一級
- 管理区間長: 約6.9km
- 歴史/備考: 荒川放水路開削により、中川から分断された部分。江東区と江戸川区の区境。水辺空間として整備されている。
- 綾瀬川 (あやせがわ)
- 種別: 一級
- 管理区間長: 約16.2km (都内区間)
- 歴史/備考: 埼玉県から流れ込み、中川に合流。かつては水質汚濁が深刻だったが、改善が進んでいる。
- 善福寺川 (ぜんぷくじがわ)
- 種別: 一級
- 管理区間長: 約10.5km
- 歴史/備考: 杉並区の善福寺公園に源を発し、神田川に合流。流域には緑地が多い。
- 妙正寺川 (みょうしょうじがわ)
- 種別: 一級
- 管理区間長: 約9.0km
- 歴史/備考: 杉並区の妙正寺公園に源を発し、神田川に合流。
- 旧綾瀬川 (きゅうあやせがわ)
- 種別: 一級
- 管理区間長: 約2.9km
- 歴史/備考: 綾瀬川の旧流路。葛飾区を流れる。
- 伝右川 (でんうがわ)
- 種別: 一級
- 管理区間長: 約0.5km (都内区間)
- 歴史/備考: 埼玉県から流れ込み、綾瀬川に合流。
- 毛長川 (けなががわ)
- 種別: 一級
- 管理区間長: 約4.9km (都内区間)
- 歴史/備考: 埼玉県から流れ込み、綾瀬川に合流。都県境をなす区間がある。
- 巽田川 (たつみがわ)
- 種別: 一級
- 管理区間長: 約0.6km
- 歴史/備考: 毛長川の支流。足立区を流れる。
- 新芝川 (しんしばがわ)
- 種別: 一級
- 管理区間長: 約0.6km (都内区間)
- 歴史/備考: 埼玉県から流れ込み、荒川に合流。
3. 利根川水系 (2河川)
- 江戸川 (えどがわ)
- 種別: 一級
- 管理区間長: 約19.7km (都内区間)
- 歴史/備考: 利根川から分かれ、東京都と千葉県の県境を流れる。江戸時代初期の利根川東遷事業により現在の流路が形成された。水運や利水に利用されてきた。
- 中川 (なかがわ)
- 種別: 一級
- 管理区間長: 約21.2km (都内区間)
- 歴史/備考: 埼玉県から流れ込み、東京湾に注ぐ。荒川放水路開削前は利根川水系と繋がっていた。流域の低地部の治水が重要。
4. 鶴見川水系 (1河川)
- 鶴見川 (つるみがわ)
- 種別: 一級
- 管理区間長: 約1.9km (都内区間)
- 歴史/備考: 町田市に源を発し、神奈川県を流れ東京湾に注ぐ。都内区間は上流部にあたる。
5. 相模川水系 (1河川)
- 境川 (さかいがわ)
- 種別: 一級
- 管理区間長: 約15.1km (都内区間)
- 歴史/備考: 町田市に源を発し、東京都と神奈川県の都県境を流れ、相模湾に注ぐ。文字通り「境」の川。
二級河川 (20水系 101河川)
二級河川は数が非常に多く、小規模なものや暗渠化されているものも多数含まれます。ここでは代表的な水系と河川、特筆すべきものを抜粋して紹介します。
- 目黒川水系 (3河川)
- 目黒川 (めぐろがわ)
- 管理区間長: 約7.8km
- 歴史/備考: 世田谷区、目黒区、品川区を流れる。桜の名所として有名。かつては水運にも利用された。近年は水質改善や親水護岸整備が進む。
- 北沢川、烏山川 (大部分が暗渠化され緑道となっている)
- 目黒川 (めぐろがわ)
- 呑川水系 (3河川)
- 呑川 (のみかわ)
- 管理区間長: 約14.4km
- 歴史/備考: 世田谷区、目黒区、大田区を流れる。下流部は工業地帯を流れ、治水対策が行われてきた。
- 呑川 (のみかわ)
- 渋谷川水系 (1河川)
- 渋谷川 (しぶやがわ) / 古川 (ふるかわ)
- 管理区間長: 約7.7km (渋谷川区間+古川区間)
- 歴史/備考: 新宿御苑付近に源を発し、渋谷駅付近を流れ、下流は古川と名を変え東京湾へ。渋谷の谷地形を形成した川。大部分が暗渠化またはコンクリート護岸。再開発に伴い一部で水辺再生の動きがある。
- 渋谷川 (しぶやがわ) / 古川 (ふるかわ)
- 立会川水系 (1河川)
- 立会川 (たちあいがわ)
- 管理区間長: 約7.3km
- 歴史/備考: 目黒区、品川区を流れる。坂本龍馬が警護した浜川砲台が河口付近にあったとされる。
- 立会川 (たちあいがわ)
- 内川水系 (1河川)
- 内川 (うちかわ)
- 管理区間長: 約2.8km
- 歴史/備考: 大田区を流れる。
- 内川 (うちかわ)
- 貴船川水系 (1河川)
- 貴船川 (きぶねがわ)
- 管理区間長: 約0.6km
- 歴史/備考: 大田区。呑川に合流。
- 貴船川 (きぶねがわ)
- 野川水系 (12河川)
- 野川 (のがわ)
- 管理区間長: 約20.5km
- 歴史/備考: 国分寺崖線(ハケ)からの湧水を主な水源とし、多摩川に合流。武蔵野の面影を残す自然豊かな区間が多い。
- 仙川、入間川 (いるまがわ:多摩川水系とは別) など多くの支流を持つ。
- 野川 (のがわ)
- 谷沢川水系 (1河川)
- 谷沢川 (やざわがわ)
- 管理区間長: 約4.0km
- 歴史/備考: 世田谷区。等々力渓谷を形成していることで有名。
- 谷沢川 (やざわがわ)
- 丸子川水系 (1河川)
- 丸子川 (まるこがわ)
- 管理区間長: 約6.8km
- 歴史/備考: 世田谷区。六郷用水の一部を改修したもの。
- 丸子川 (まるこがわ)
- 空堀川水系 (8河川)
- 空堀川 (からぼりがわ)
- 管理区間長: 約15.0km
- 歴史/備考: 狭山丘陵に源を発し、柳瀬川に合流。名前の通り普段は水量が少ないことが多い。
- 空堀川 (からぼりがわ)
- 柳瀬川水系 (3河川)
- 柳瀬川 (やなせがわ)
- 管理区間長: 約8.3km (都内区間)
- 歴史/備考: 埼玉県から流れ込み、新河岸川に合流。都内区間は清瀬市などを流れる。
- 柳瀬川 (やなせがわ)
- 黒目川水系 (4河川)
- 黒目川 (くろめがわ)
- 管理区間長: 約11.1km (都内区間)
- 歴史/備考: 小平市などに源を発し、埼玉県で新河岸川に合流。
- 黒目川 (くろめがわ)
- 落合川水系 (2河川)
- 落合川 (おちあいがわ)
- 管理区間長: 約3.6km
- 歴史/備考: 東久留米市。湧水が多く、「平成の名水百選」に選ばれた清流。黒目川に合流。
- 落合川 (おちあいがわ)
- 江川水系 (世田谷区) (1河川)
- 江川 (えがわ)
- 管理区間長: 約1.4km
- 歴史/備考: 世田谷区。野川に合流。
- 江川 (えがわ)
- 谷田川水系 (北区) (1河川)
- 谷田川 (やたがわ)
- 管理区間長: 約1.8km
- 歴史/備考: 北区。石神井川に合流。大部分が暗渠。
- 谷田川 (やたがわ)
- 城南運河水系 (44河川)
- 京浜運河、羽田空港周辺の運河群など。多くは埋め立てや港湾整備に伴い造られた人工河川(運河)。
- 江東内部河川水系 (8河川)
- 小名木川、竪川、横十間川など。江戸時代に開削された運河網が元になっているものが多い。水運や治水、貯木場の役割を果たした。
島嶼部の二級河川
- 大島: 元町川、泉津川など
- 新島: –
- 神津島: 神津沢川など
- 三宅島: 錆ヶ浜川、伊豆富田川など
- 八丈島: 安川、唐滝川など
準用河川 (11河川)
一級・二級河川以外で市町村が管理する必要があるとして指定された比較的小規模な河川。
- 清水川 (世田谷区)
- 谷川 (北区)
- 宮前川 (杉並区)
- コンコン川 (港区)
- 笄川 (港区)
- 桜川 (港区・千代田区) – 暗渠化
- 汐留川 (港区・中央区) – 暗渠化
- 陸田用水 (東大和市)
- 恋ヶ窪用水 (国分寺市)
- 砂川用水 (立川市・昭島市)
- 府中用水 (府中市・稲城市など) – 多摩川から取水する歴史ある農業用水路
主要河川の補足情報
- 多摩川: 武蔵国と相模国の国境であり、江戸時代には江戸の飲料水を供給する玉川上水の水源、また防衛ラインとしても重要視されました(架橋制限など)。近代以降は砂利採取や工業用水利用が進みましたが、現在は水質が改善し、貴重な自然環境として保全・活用されています。
- 荒川: もともと現在の隅田川の流路を「荒ぶる川」として流れていましたが、度重なる洪水被害から首都を守るため、約20年をかけた国家的大事業「荒川放水路」が建設され、1930年に完成しました。この放水路が現在の荒川本流となり、旧流路が隅田川となりました。河川敷は広大な緑地として利用されています。
- 隅田川: 荒川の旧流路であり、江戸・東京の中心部を流れてきました。吾妻橋、駒形橋、厩橋、両国橋など多くの橋が架けられ、江戸の物流・交通の要衝でした。観月の名所、花火、舟遊びなど、多くの文化を生み出し、浮世絵などにも描かれています。関東大震災や東京大空襲では多くの人が避難しましたが、悲劇の舞台ともなりました。
- 神田川: 井の頭池を水源とし、江戸時代には神田上水として江戸市民の貴重な飲料水を供給しました。また、江戸城の外堀としても機能しました。流域は早くから市街化が進み、水害対策のため多くの区間で護岸整備や調節池建設が行われました。フォークソング『神田川』でも知られます。
- 江戸川: 関宿(千葉県野田市)で利根川から分派します。江戸時代初期、利根川の流れを東に変える「利根川東遷事業」の一環として開削・整備され、江戸への物資輸送(特に塩や米)の重要な水路となりました。現在も首都圏東部の重要な水源であり、都県境をなしています。
まとめ
東京都はとにかく川が多く、水源に恵まれた土地と言えます。
自然が育んでくれた川を大切にしてこれからも活用していければ良いですね。
この情報が何かの参考になれば嬉しいです。
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