今回は、近年の大会で実施されている、または次期大会(パリ2024など)で実施予定の主要な競技について、その特徴、使用する主な物、基本的な勝敗の決め方や得点ルールを一覧形式でご紹介します。
オリンピックには夏季大会と冬季大会があり、それぞれで実施される競技(スポーツ)が異なります。また、大会ごとに実施競技が見直され、追加されたり除外されたりすることがあります。
夏季オリンピック競技 (代表例)
1. 陸上競技
競技名: 陸上競技
特徴・概要: 人間の基本的な運動能力である「走る」「跳ぶ」「投げる」を競う。トラック競技(短~長距離走、ハードル走、リレー)、フィールド競技(走高跳、棒高跳、走幅跳、三段跳、砲丸投、円盤投、ハンマー投、やり投)、ロード競技(マラソン、競歩)、混成競技(十種競技、七種競技)など、非常に多様な種目を含む。
主な使用する物: スパイクシューズ、ハードル、棒(棒高跳)、砲丸、円盤、ハンマー、やり、バトン(リレー)、計測機器。
得点・勝敗ルール:
トラック/ロード競技: 決められた距離を最も速く走った選手/チームが勝利(タイムで順位決定)。
フィールド競技: より高く/遠くへ跳んだ/投げた選手が勝利(記録で順位決定)。
混成競技: 複数種目の記録を得点化し、その合計得点が最も高い選手が勝利。
2. 競泳
競技名: 競泳
特徴・概要: プールで定められた距離を定められた泳法(自由形、平泳ぎ、背泳ぎ、バタフライ)で泳ぎ、速さを競う。個人種目、リレー種目がある。他に、飛込、アーティスティックスイミング、水球、オープンウォータースイミングも水泳競技に含まれる。
主な使用する物: 水着、ゴーグル、キャップ、プール、タッチ板(タイム計測)。
得点・勝敗ルール: 決められた距離を最も速く泳いだ選手/チームが勝利(タイムで順位決定)。
3. 体操 (体操競技)
競技名: 体操(体操競技)
特徴・概要: 男女別に定められた器具を使い、アクロバティックな技の難度、美しさ、安定性などを競う。男子はゆか、あん馬、つり輪、跳馬、平行棒、鉄棒の6種目。女子は跳馬、段違い平行棒、平均台、ゆかの4種目。他に新体操、トランポリンも体操競技に含まれる。
主な使用する物: 各種器具(上記参照)、(男子)タンクトップ、ロングパンツまたはショートパンツ、(女子)レオタード、滑り止め(炭酸マグネシウム)。
得点・勝敗ルール: 各演技に対し、Dスコア(Difficulty/難度点)とEスコア(Execution/実施点、10点満点からの減点方式)を合計した得点で順位が決まる。団体戦はチームメンバーの合計点で競う。
4. 柔道
競技名: 柔道
特徴・概要: 日本発祥の武道。相手を投げたり、抑えたりして勝敗を競う格闘技。体重別の階級制で行われる。
主な使用する物: 柔道着、帯、畳。
得点・勝敗ルール: 技の効果に応じて「一本」(即勝利)または「技あり」(2回で合わせ技一本)が与えられる。規定時間内に「一本」が出ない場合は、「技あり」の数や反則(指導)の数で優勢勝ちが決まる。それでも決着がつかない場合は延長戦(ゴールデンスコア方式)。
5. 卓球
競技名: 卓球
特徴・概要: ネットを挟んだテーブル(卓球台)上で、小さなプラスチック製のボールをラケットで打ち合い、得点を競う。シングルス、ダブルス、団体戦がある。
主な使用する物: 卓球台、ネット、ラケット、ボール。
得点・勝敗ルール: ラリーに勝ち、相手が正規に返球できなければ1ポイント獲得。1ゲーム11ポイント先取(10-10以降は2ポイント差がつくまで)。規定ゲーム数(例: 4ゲーム)を先取した方が勝利。
6. バドミントン
競技名: バドミントン
特徴・概要: ネットを挟んで、羽(シャトルコック)をラケットで打ち合い、相手コート内に落として得点を競う。シングルス、ダブルス、混合ダブルスがある。
主な使用する物: ラケット、シャトルコック、ネット、コート。
得点・勝敗ルール: ラリーに勝った方にポイントが入るラリーポイント制。1ゲーム21ポイント先取(20-20以降は2ポイント差がつくまで、29-29の場合は30点目を取った方が勝利)。通常、2ゲームを先取した方が勝利。
7. サッカー
競技名: サッカー
特徴・概要: 11人ずつの2チームが、主に足を使ってボールを相手ゴールに入れることで得点を競う世界的に人気の球技。
主な使用する物: ボール、ゴール、スパイクシューズ、すね当て。
得点・勝敗ルール: 規定時間(通常、前後半各45分)内に相手より多く得点(ゴール)したチームが勝利。同点の場合は大会規定により、延長戦やPK戦で勝敗を決めることがある。
8. バスケットボール
競技名: バスケットボール
特徴・概要: 5人ずつの2チームが、手でボールを扱い、相手チームのバスケット(リング)にボールを入れて得点を競う。スピーディーな攻防が魅力。3人制の「3×3 (スリーエックススリー)」も種目にある。
主な使用する物: ボール、バスケット(リングとバックボード)、コート、バスケットシューズ。
得点・勝敗ルール: 規定時間(通常4クォーター制)内に相手より多く得点したチームが勝利。シュートの種類により得点が異なる(フリースロー1点、通常エリア2点、3ポイントライン外3点)。
9. バレーボール
競技名: バレーボール
特徴・概要: ネットを挟んで6人ずつの2チームが、ボールを手や腕で打ち合い(3回以内の接触で相手コートに返す)、相手コートにボールを落とすなどして得点を競う。ビーチバレーボール(2人制)もある。
主な使用する物: ボール、ネット、コート、サポーター。
得点・勝敗ルール: ラリーに勝った方にポイントが入るラリーポイント制。1セット25ポイント先取(最終第5セットは15ポイント先取、いずれも2ポイント差がつくまで)。規定セット数(通常3セット)を先取したチームが勝利。
10. テニス
競技名: テニス
特徴・概要: ネットを挟んだコートで、ラケットを使ってボールを打ち合い、相手が返球できないようにしてポイントを競う。シングルス、ダブルス、混合ダブルスがある。
主な使用する物: ラケット、ボール、ネット、コート。
得点・勝敗ルール: ポイント(0, 15, 30, 40, ゲーム)、ゲーム、セットの順で進行。4ポイント先取で1ゲーム獲得(デュースあり)。規定ゲーム数(通常6ゲーム、2ゲーム差以上)先取で1セット獲得。規定セット数(男子5セットマッチ、女子3セットマッチなど)を先取した方が勝利。
11. レスリング
競技名: レスリング
特徴・概要: マット上で相手の体を押さえつけたり(フォール)、投げたり、タックルしたりしてポイントを奪い合う格闘技。男子はグレコローマンスタイル(下半身への攻撃・防御禁止)とフリースタイル、女子はフリースタイルがある。階級制。
主な使用する物: レスリングシングレット(ユニフォーム)、レスリングシューズ、マット。
得点・勝敗ルール: 相手の両肩をマットに1秒以上つける「フォール」で即勝利。技に応じてポイント(1, 2, 4, 5点)が与えられ、規定時間終了時にポイントが多い方が勝利。一定のポイント差がつくと「テクニカルフォール」で勝利となる場合もある。
12. ボクシング
競技名: ボクシング
特徴・概要: 正方形のリング内で、グローブを着用した両選手が上半身前面と側面のみをパンチで打ち合い、勝敗を競う格闘技。階級制。
主な使用する物: グローブ、リング、マウスピース、ヘッドギア(アマチュア)、バンデージ。
得点・勝敗ルール: 相手をダウンさせ10カウント以内に立ち上がれなくする「ノックアウト(KO)」、レフェリーが試合続行不可能と判断する「テクニカルノックアウト(TKO)」で即勝利。規定ラウンド終了時は、審判による採点(有効打、防御、積極性などを評価)で勝敗が決まる。
13. ウエイトリフティング
競技名: ウエイトリフティング
特徴・概要: バーベルを床から頭上まで一気に引き上げる「スナッチ」と、一度肩まで引き上げてから頭上に差し上げる「クリーン&ジャーク」の2種目を行い、各種目の最高重量の合計重量を競う。階級制。
主な使用する物: バーベル(シャフトとプレート)、プラットフォーム、リフティングスーツ、ベルト、シューズ。
得点・勝敗ルール: スナッチ、クリーン&ジャーク各種目3回ずつの試技を行い、それぞれ成功した最も重い重量の合計記録で順位を決定。
14. 自転車競技
競技名: 自転車競技
特徴・概要: 自転車を用い、速さや技術を競う。種目は多岐にわたり、屋内競技場のトラックで行う「トラック」、公道で行う「ロード」、未舗装路で行う「マウンテンバイク(MTB)」、小型自転車で障害物コースや技を競う「BMX(レーシング、フリースタイル)」がある。
主な使用する物: 各種目に応じた自転車、ヘルメット、サイクルウェア、シューズ。
得点・勝敗ルール:
トラック/ロード/MTB/BMXレーシング: 決められたコースや距離を最も速く走った選手/チームが勝利(タイムまたは着順)。
BMXフリースタイル: 制限時間内に披露する技の難度、独創性、構成、完成度などを審判が採点し、得点で順位決定。
15. アーチェリー
競技名: アーチェリー
特徴・概要: 一定の距離(オリンピックでは70m)から弓で矢を放ち、的の中心を狙って得点を競う。個人戦と団体戦がある。
主な使用する物: 弓(リカーブボウ)、矢、的、アームガード、チェストガード。
得点・勝敗ルール: 的の当たった場所に応じて得点(中心の10点から外側の1点まで)。予選ラウンドは合計得点でランキング決定。決勝トーナメントはセットポイント制(1セット3射、勝者に2ポイント、引き分け1ポイント)で、規定セットポイント先取で勝利。団体戦も同様。
16. 射撃
競技名: 射撃
特徴・概要: ライフル銃、ピストル、散弾銃(クレー射撃)を使用し、標的への命中精度や枚数を競う。距離、銃の種類、姿勢(立射、膝射、伏射)、標的(静止、移動)により多様な種目がある。
主な使用する物: 各種銃、弾、標的、射撃ジャケット・パンツ(ライフル)、イヤープロテクター。
得点・勝敗ルール:
ライフル/ピストル: 標的の中心に近いほど高得点(10.9点満点など)。予選の合計得点で決勝進出者を決定し、決勝で改めて順位を決定。
クレー射撃: 飛んでくる皿(クレー)を撃ち落とした枚数で競う。
17. フェンシング
競技名: フェンシング
特徴・概要: 金属製の剣(フルーレ、エペ、サーブルの3種類)を使い、1対1で相手の有効面を突いたり斬ったりしてポイントを奪い合う。個人戦と団体戦がある。
主な使用する物: 剣(各種)、マスク、ジャケット、プロテクター、グローブ、メタルジャケット(フルーレ、サーブル用)、電気審判機。
得点・勝敗ルール: 相手の有効面(種目により異なる)を剣先で突く(フルーレ、エペ)または剣で突く・斬る(サーブル)とポイント獲得。個人戦は15ポイント先取、または規定時間(3分×3ピリオド)終了時にポイントが多い方が勝利。団体戦は1チーム3人で総当たりし、45ポイント先取または最終ピリオド終了で勝敗決定。
18. セーリング
競技名: セーリング
特徴・概要: 風の力を利用してヨットやウインドサーフィンなどを操り、水上に設定されたコースを走る速さや順位を競う。使用する艇の種類によって様々な種目がある。
主な使用する物: 各種セーリング艇(ディンギー、キールボート、フォイルボードなど)、ライフジャケット。
得点・勝敗ルール: 複数回のレース(シリーズレース)を行い、各レースの着順に応じた得点(1位1点、2位2点…低得点方式)を合計し、最も合計得点が少ない選手/チームが上位となる。最終レース(メダルレース)は得点が倍になるなど、特殊なルールがある場合が多い。
19. カヌー
競技名: カヌー
特徴・概要: カヌー(カナディアン:片膝立ちでシングルブレードパドル、カヤック:座ってダブルブレードパドル)を使用。流れのない直線コースで速さを競う「スプリント」と、流れのあるコースに設置されたゲートを通過しながらタイムを競う「スラローム」がある。
主な使用する物: カヌー(各種)、パドル、ライフジャケット、ヘルメット(スラローム)。
得点・勝敗ルール:
スプリント: 決められた距離のコースを最も速く漕いだ選手/チームが勝利(タイムで順位決定)。
スラローム: コースを漕ぎ下るタイムと、ゲート不通過や接触によるペナルティタイムを合計し、最もタイムが少ない選手が勝利。
20. ボート (ローイング)
競技名: ボート (ローイング)
特徴・概要: 水面上の直線コース(通常2000m)で、後向きに座りオールを使ってボートを漕ぎ、速さを競う。漕ぎ手の人数(シングル、ペア、フォア、エイト)、オールの種類(スカル:両手で2本、スイープ:片手で1本)、舵手の有無で種目が分かれる。
主な使用する物: ボート(シェル艇)、オール、スライドシート。
得点・勝敗ルール: 決められた距離のコースを最も速く漕ぎきったクルー(チーム)が勝利(タイムで順位決定)。
21. スケートボード
競技名: スケートボード
特徴・概要: スケートボードに乗り、様々な構造物があるコースで技(トリック)を連続的に行い、その難度、完成度、独創性などを競う。「ストリート」(街中のようなコース)と「パーク」(窪地状のコース)の2種目がある。
主な使用する物: スケートボード、ヘルメット、プロテクター。
得点・勝敗ルール: 制限時間内に自由な演技(ラン)を行うのと、一発の技(ベストトリック)を行う形式を組み合わせることが多い。審判が技の難易度、完成度、高さ、スピード、独創性、構成などを総合的に評価し、0点から100点のスケールで採点。高得点の合計で順位が決まる。
22. スポーツクライミング
競技名: スポーツクライミング
特徴・概要: 人工的に設置された壁(ホールドが付いている)を登る能力を競う。複数の短い課題(コース)を制限時間内にいくつ登れたかを競う「ボルダー」、高さ15m以上の壁を制限時間内にどこまで高く登れたかを競う「リード」、高さ15mの壁を登る速さを競う「スピード」がある。パリ2024ではボルダー&リード複合とスピード単種目を実施。
主な使用する物: クライミングシューズ、チョーク(滑り止め)、ハーネス・ロープ(リード、確保用)。
得点・勝敗ルール:
ボルダー: 完登した課題の数が多い順。同数の場合はゾーン(中間地点)獲得数、少ないトライ(試行回数)で順位決定。
リード: 到達したホールドの高さ(番号)で順位決定。同高度の場合は予選成績やタイムで決定。
スピード: 予選タイムでトーナメント進出者を決定し、トーナメントで対戦相手より速くゴールボタンを押した方が勝利。
複合: ボルダーとリードの各種目の得点を合計し、総合得点で順位決定。
23. ブレイキン (パリ2024で追加)
競技名: ブレイキン
特徴・概要: DJがかける音楽に合わせ、ダンサー(Bボーイ、Bガール)がアクロバティックな動き(パワームーブ)、リズミカルなステップ(フットワーク)、身体の一部で静止する技(フリーズ)などを即興で組み合わせて披露し、1対1の対戦形式(バトル)で優劣を競うダンス競技。
主な使用する物: なし(動きやすい服装、シューズ)。DJ、MCが場を盛り上げる。
得点・勝敗ルール: 複数の審判が、技術性、多様性、完成度、個性・創造性、音楽性などの複数の基準に基づいて各選手のパフォーマンス(ラウンド)を評価・比較し、多数決または点数で各バトルの勝者を決定するトーナメント方式。
冬季オリンピック競技 (代表例)
24. スキー (アルペン)
競技名: スキー(アルペン)
特徴・概要: 雪山の斜面に設置された旗門(ポール)の間を通過しながら滑り降り、タイムを競う。滑降(ダウンヒル)、スーパー大回転、大回転、回転(スラローム)、複合(滑降+回転)、混合団体などの種目がある。スピード系と技術系に大別される。
主な使用する物: スキー板、ビンディング、スキーブーツ、ストック、ヘルメット、ゴーグル、スキースーツ。
得点・勝敗ルール: 決められたコースを最も速く滑り降りた選手が勝利(タイムで順位決定)。大回転と回転は2回滑走し、合計タイムで競う。旗門不通過は失格。
25. スキー (ジャンプ)
競技名: スキー(ジャンプ)
特徴・概要: 急角度の助走路を滑り降り、踏み切り台(カンテ)から空中へ飛び出し、飛距離と空中姿勢・着地姿勢の美しさ(飛型点)を競う。ノーマルヒル、ラージヒル、団体戦、混合団体がある。
主な使用する物: スキー板(幅広で長い)、ジャンプブーツ、ビンディング、ジャンプスーツ、ヘルメット、ゴーグル。
得点・勝敗ルール: 飛距離点(K点からの差で計算)と、5人の審判が採点する飛型点(各20点満点、最高・最低を除く3人の合計)を合わせた得点で競う。通常2回ジャンプし、合計得点で順位決定。
26. スキー (クロスカントリー)
競技名: スキー(クロスカントリー)
特徴・概要: 雪上の起伏に富んだコースをスキーで走り、タイムを競う。「歩くスキー」とも言われる持久系競技。走法(クラシカル走法、フリー走法)、距離、スタート方式(個人スタート、マススタート)、形式(個人、リレー、スキーアスロン:前半クラシカル・後半フリー)で多様な種目がある。
主な使用する物: スキー板(細長く軽い)、ビンディング、ブーツ(走法により異なる)、ストック、スキンスーツ。
得点・勝敗ルール: 決められたコースを最も速く滑りきった選手/チームが勝利(タイムまたは着順で順位決定)。
27. スキー (フリースタイル)
競技名: スキー(フリースタイル)
特徴・概要: スキーを使ってアクロバティックな技や滑走技術を競う。モーグル(コブ斜面滑走+エア)、エアリアル(ジャンプ台からの空中技)、スキークロス(複数人同時スタートのレース)、ハーフパイプ(半円筒状のコースでの空中技)、スロープスタイル(様々な障害物があるコースでの技)、ビッグエア(巨大ジャンプ台からの空中技)など、多様な種目がある。
主な使用する物: 各種目に適したスキー板、ビンディング、ブーツ、ストック(一部種目)、ヘルメット、ゴーグル。
得点・勝敗ルール:
採点競技(モーグル、エアリアル、ハーフパイプ、スロープスタイル、ビッグエア): 審判が技の難度、完成度、高さ、多様性、構成、着地などを評価し、得点で順位決定。
レース競技(スキークロス): 予選タイムでトーナメント組み合わせを決定し、トーナメントの各ヒート(レース)の着順で勝敗・勝ち上がりを決定。
28. スキー (ノルディック複合)
競技名: スキー(ノルディック複合)
特徴・概要: スキージャンプとクロスカントリースキーの2種目を1人の選手が行い、その総合結果で順位を競う。「キング・オブ・スキー」とも呼ばれる。個人戦と団体戦がある。
主な使用する物: ジャンプ用具一式、クロスカントリー用具一式。
得点・勝敗ルール: 前半のスキージャンプの得点差を、後半のクロスカントリーのスタートタイム差に換算(グンダーセン方式)。ジャンプ1位の選手から順に時間差でスタートし、クロスカントリーで最初にゴールした選手が優勝。
29. スキー (スノーボード)
競技名: スキー(スノーボード)
特徴・概要: 一枚の板(スノーボード)に両足を固定して乗り、雪の斜面を滑走する。アルペン系のパラレル大回転、レース系のスノーボードクロス、採点系のハーフパイプ、スロープスタイル、ビッグエアなどの種目がある。
主な使用する物: スノーボード、ビンディング、スノーボードブーツ、ヘルメット、ゴーグル、ウェア。
得点・勝敗ルール: 各種目はフリースタイルスキーの対応する種目とほぼ同様のルール形式。
採点競技(ハーフパイプ、スロープスタイル、ビッグエア): 審判による採点で順位決定。
レース競技(パラレル大回転、スノーボードクロス): タイムまたは着順で順位決定。
30. スケート (スピードスケート)
競技名: スケート(スピードスケート)
特徴・概要: 氷でできた1周400mのオーバルリンクで、スケート靴を履いて滑り、タイムを競う。短距離から長距離まで様々な距離の個人種目、複数人で隊列を組んで滑る団体パシュート、一斉にスタートして着順を競うマススタートがある。
主な使用する物: スケート靴(ブレードが長く、かかとが離れるクラップスケートが主流)、スケートスーツ、ゴーグル。
得点・勝敗ルール: 決められた距離を最も速く滑った選手/チームが勝利(タイムで順位決定)。マススタートは着順と中間スプリントポイントの合計で順位決定。
31. スケート (フィギュアスケート)
競技名: スケート(フィギュアスケート)
特徴・概要: スケート靴で氷上を滑りながら、ジャンプ、スピン、ステップ、リフト(ペア)などの技術要素と、音楽に合わせた芸術的表現力を組み合わせて演技し、その完成度を競う。男女シングル、ペア、アイスダンス、団体戦がある。
主な使用する物: フィギュアスケート靴(ブレードの先端にトウピックが付いている)、衣装。
得点・勝敗ルール: ショートプログラム(SP)/リズムダンス(RD)とフリースケーティング(FS)/フリーダンス(FD)の2種目の合計得点で順位を決定。各演技は技術点(要素の基礎点+出来栄え点GOE)と演技構成点(スケート技術、要素のつなぎ、表現力など5項目)で採点される。
32. スケート (ショートトラック)
競技名: スケート(ショートトラック スピードスケート)
特徴・概要: 1周111.12mの短い屋内リンクで、複数人(通常4~6人)が同時にスタートし、着順を競う。コーナリング技術や駆け引きが重要で、転倒や接触も多いスリリングなレース展開が特徴。個人種目とリレー種目がある。
主な使用する物: スケート靴(ブレードが短く、左カーブ用にオフセットされている)、ヘルメット、プロテクター(首、すねなど)、耐切創性スーツ、グローブ。
得点・勝敗ルール: 各レースの着順で次のラウンドへの進出者が決まるトーナメント方式。決勝レースの着順が最終順位となる。失格(反則)もある。
33. バイアスロン
競技名: バイアスロン
特徴・概要: クロスカントリースキーとライフル射撃を組み合わせた競技。スキーでコースを走り、途中の射撃場で伏射(伏せて撃つ)と立射(立って撃つ)を行う。スキーの走力と射撃の正確性の両方が求められる。個人、スプリント、パシュート(追い抜き)、マススタート、リレーなどの種目がある。
主な使用する物: クロスカントリー用具一式、バイアスロン専用ライフル(選手が背負って走る)、弾薬、射撃マット(伏射用)。
得点・勝敗ルール: スキーの走タイムに、射撃で的を外した数に応じたペナルティ(1分間のタイム加算または1周150mのペナルティループ周回)を加えた合計タイムで競う。最も合計タイムが少ない選手/チームが勝利。
34. ボブスレー
競技名: ボブスレー
特徴・概要: 特殊な形状の鋼鉄製または繊維強化プラスチック製のそり(ボブスレー)に乗り込み、氷でできた人工コースを滑り降りるタイムを競う。スタート時のダッシュ力と、操縦技術が重要。男子2人乗り、男子4人乗り、女子モノボブ(1人乗り)、女子2人乗りがある。
主な使用する物: ボブスレー(そり)、ヘルメット、レーシングスーツ、スパイクシューズ(スタートダッシュ用)。
得点・勝敗ルール: 複数回(通常2回または4回)滑走し、その合計タイムが最も速いチームが勝利。100分の1秒単位で競われる。
35. スケルトン
競技名: スケルトン
特徴・概要: 小さなそり(スケルトン)に頭を前にして腹ばいの姿勢で乗り込み、ボブスレーと同じ氷のコースを滑り降りるタイムを競う。最高速度は時速130kmを超えることもある。
主な使用する物: スケルトン(そり)、ヘルメット、レーシングスーツ、スパイクシューズ。
得点・勝敗ルール: 複数回(通常2回または4回)滑走し、その合計タイムが最も速い選手が勝利。
36. リュージュ
競技名: リュージュ
特徴・概要: そり(リュージュ)に足を前にして仰向けの姿勢で乗り込み、ボブスレーと同じ氷のコースを滑り降りるタイムを競う。体全体を使って微妙な重心移動で操縦する。1人乗り、2人乗り、チームリレーがある。
主な使用する物: リュージュ(そり)、ヘルメット、レーシングスーツ、スパイク付きグローブ(スタート用)。
得点・勝敗ルール: 複数回(通常2回または4回)滑走し、その合計タイムが最も速い選手/チームが勝利。チームリレーは女子1人乗り、男子1人乗り、2人乗りの合計タイムで競う。
37. カーリング
競技名: カーリング
特徴・概要: 約40m先にある円(ハウス)を目がけて、取っ手のついた重い石(ストーン、約20kg)を氷上に滑らせ、相手チームより多くのストーンをハウスの中心近くに配置することで得点を競う。「氷上のチェス」とも呼ばれる戦略性の高いチームスポーツ。男子、女子、混合ダブルスがある。
主な使用する物: ストーン、ブラシ(ブルーム)、カーリングシューズ(片方は滑りやすく、もう片方は滑りにくい)。
得点・勝敗ルール: 各エンド(通常10エンド、混合ダブルスは8エンド)終了時に、ハウスの中心に最も近い相手チームのストーンよりも内側にある自分のチームのストーンの数が、そのエンドの得点となる。全エンド終了時の合計得点が多いチームが勝利。同点の場合は延長エンドを行う。
38. アイスホッケー
競技名: アイスホッケー
特徴・概要: スケート靴を履いた6人(ゴールキーパー含む)ずつの2チームが、スティックを使って硬質ゴム製の円盤(パック)を操り、相手ゴールに入れて得点を競う。「氷上の格闘技」とも呼ばれる激しいボディコンタクトが認められている。
主な使用する物: スティック、パック、スケート靴、ヘルメット、フェイスガード、ショルダーパッド、エルボーパッド、グローブ、パンツ、シンガード、ゴールキーパー用防具一式、ゴール。
得点・勝敗ルール: 規定時間(通常20分×3ピリオド)内に相手チームより多く得点(ゴール)したチームが勝利。同点の場合は延長戦やゲームウィニングショット(GWS、サッカーのPK戦に相当)で勝敗を決めることがある。
まとめ
上記は代表的な競技であり、大会ごとに種目の追加や変更があります。
各競技のルールは非常に詳細であり、ここでは基本的な概要のみを記載していますが、オリンピックを楽しむ人の参考になれば嬉しいです!